糖尿病患者・予備群にとって悪い食べ物、良い食べ物20選

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血糖値が慢性的に高くなる糖尿病は、食生活に注意を要する。また、2型糖尿病と診断されるほどではないが、血糖値が平均よりも高い糖尿病予備軍の人々も、食事に配慮することが望ましい。健康情報誌のメディカル・ニュース・トゥデイヘルスラインなどが、血糖値をコントロールするうえで避けるべき「悪い」食品と、積極的に摂りたい「良い」食品を紹介している。

◆悪い食品1. 甘い飲み物

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甘い飲み物は血糖値を急激に上昇させるため、糖尿病に悪影響を及ぼす恐れがある。たとえば、一般的な360ミリリットルの炭酸飲料1缶には約37グラムの砂糖が含まれており、これは女性の1日の推奨摂取量を超えている。

砂糖入り飲料の多量摂取はインスリン抵抗性を引き起こし、2型糖尿病のリスクを高めることが研究で明らかになっている。

◆悪い食品2. コーヒーのスペシャリティドリンク

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コーヒーベースの甘いドリンクは、大量の砂糖と飽和脂肪酸を含むものが多い。血糖値を急上昇させ、インスリン抵抗性を悪化させる。たとえば、ラテやカプチーノには大量の糖分が含まれていることがあり、血糖値のコントロールが難しくなる。

◆悪い食品3. 成分無調整の牛乳

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成分無調整の牛乳は高カロリーで飽和脂肪酸が多く、糖尿病に悪影響を及ぼす恐れがある。飽和脂肪酸はインスリン抵抗性を悪化させ、血糖値の上昇につながる。

このため、低脂肪牛乳や無脂肪牛乳に比べ、全脂肪乳は血糖値の急激な上昇を引き起こす恐れがある。

◆悪い食品4. ホットドッグと加工肉

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ホットドッグや加工肉は飽和脂肪酸とナトリウムを多く含む。インスリン抵抗性を悪化させるほか、心血管疾患のリスクも高める。たとえば、ベーコンやソーセージなど加工肉が多い食生活は、2型糖尿病のリスクを高めることが複数の研究で示されている。

◆悪い食品5. 甘いシリアル

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甘いシリアルは、糖分が多く栄養価が低いため、糖尿病に悪影響を及ぼす恐れがある。たとえば、一般的な朝食用シリアルには100グラムあたり20グラムの糖分が含まれており、血糖値の急激な上昇を引き起こす恐れがある。特に子供用のシリアルには糖分が多く含まれている。

◆悪い食品6. パンケーキシロップ

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パンケーキシロップは、砂糖と炭水化物を多く含むため、血糖値を急激に上昇させる。想定されている1回量よりも多くたっぷりと使用してしまうことも多く、糖分とカロリーの摂取量はさらに増える。低カロリーのシロップでも、糖質の量は半分ほどにしか減らないので、使用量には注意が必要だ。

◆悪い食品7. シャーベット

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シャーベットはアイスクリームよりも炭水化物含有量が多く、糖尿病に悪影響を及ぼす恐れがある。シャーベットには通常、同量のアイスクリームの約2倍の炭水化物が含まれている。そのため、血糖値が急激に上昇しやすくなる。

◆悪い食品8. 揚げ物

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揚げ物は脂肪分が多くカロリーが高いため、糖尿病に悪影響を及ぼす恐れがある。揚げ物は調理過程で大量の油を吸収し、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含む。これによりインスリン抵抗性を悪化させ、血糖値が長時間高止まりする。

◆悪い食品9. 精製穀物

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精製穀物は繊維質が少なく、血糖値を急激に上昇させる。胚芽などを除去し精製した小麦を使う精白パンや、玄米でなく精製した米を炊いた白米、ホワイトパスタなどの食品がこれにあたる。精製穀物は栄養価が低く、全粒穀物よりも消化が早いため、血糖値の急上昇を引き起こしやすい。

◆良い食品1. 葉野菜

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血糖値のコントロールに役立つ食品もある。ほうれん草やケールなどの葉野菜は、ビタミンCが豊富で抗酸化作用が強い。特にビタミンCには抗酸化作用と抗炎症作用がある。2021年の研究レビューでは、ビタミンCの摂取は糖尿病患者にとって有益であり、血清ビタミンC濃度を上昇させ、炎症と細胞損傷を軽減することが示された。

◆良い食品2. アブラナ科の野菜

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アブラナ科の野菜はカリウム、葉酸、ビタミンCが豊富で低カロリーだ。たとえば、ブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、ケールなどがこれにあたる。2021年のレビューでは、アブラナ科の野菜を十分に摂取すると、2型糖尿病のリスクが13%低下することが示された。

◆良い食品3. 豆類

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豆類は食物繊維とタンパク質が豊富で、満腹感を維持するのに役立つ。また、食後の血糖値上昇を防ぐことができる。さらに、豆類は低GI食品であるため、血糖値の管理に適している。3000人以上を対象にした過去の研究でも、豆類を多く摂取すると2型糖尿病のリスクが低下することが示されている。

◆良い食品4. ナッツ類

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クルミやアーモンドなどのナッツ類は、繊維質、健康的な脂肪、抗酸化物質が豊富で、心臓の健康に良い。1万6000人以上の2型糖尿病患者を対象にした2019年の研究では、ナッツ類を定期的に摂取することで、心臓病と死亡のリスクが減少することが示された。ナッツは血糖値の管理にも寄与し、特にクルミは血糖値を改善することが示されている。

◆良い食品5. ベリー類

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ベリー類は抗酸化物質、ビタミンC、食物繊維が豊富で、血糖値を安定させる効果がある。たとえば、ブルーベリーやストロベリー、ラズベリーなどだ。糖尿病ではない過体重・肥満の成人を対象にした研究では、ストロベリーとクランベリーに含まれるポリフェノールを6週間摂取することで、インスリン感受性を改善できることが示された。

◆良い食品6. サツマイモ

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サツマイモはジャガイモよりGI値が低く、繊維も豊富であるため、血糖値の上昇を緩やかにする。ビタミンA、ビタミンC、カリウムも豊富で、栄養価も高い。

◆良い食品7.脂肪分の多い魚

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サケ、イワシ、ニシン、カタクチイワシ、サバなどといった脂肪分の多い魚には、心臓の健康に重要なオメガ3脂肪酸のDHAとEPAが豊富に含まれ、心臓病や脳卒中のリスクが高い糖尿病患者にとって特に重要だ。これらは血管細胞を保護し、炎症マーカーを減少させ、動脈機能を改善する。

◆良い食品8. アボカド

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アボカドの炭水化物は1グラム未満で、繊維質が多く、血糖値の上昇を防ぐ。2019年のマウスの研究では、アボカドに含まれる脂肪分子アボカチンBがインスリン抵抗性を低下させることが示されている。アボカドはおやつとしても理想的だ。

◆良い食品9. 卵

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卵は炎症を抑え、インスリン感受性を改善する。また、HDL(善玉)コレステロール値を上昇させ、LDL(悪玉)コレステロールを抑制する。2020年の研究では、朝食として週に12個の卵を4週間食べ続けると、糖尿病予備軍の成人の血圧が低下することが確認された。卵は血糖値のコントロールを助け、満腹感の維持にも役立つ。

◆良い食品10. チアシード

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チアシード28グラムには12グラムの炭水化物が含まれ、そのうち11グラムは血糖値を上げない繊維質となっている。チアシードに含まれる粘り気のある繊維により、腸をゆっくりと通過し、血糖値の上昇を抑える。

2017年の研究では、チアシードの摂取により過体重もしくは肥満の2型糖尿病患者の体重が減少し、血糖値のコントロールにも寄与することが示された。

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