腎臓の健康のために食べたい・気をつけたい20の食材 バナナ、アボカド、ニンニク…避けるべきは?
このところ思うように身体の調子が上がらない、または慢性的に気だるさが抜けない……と感じることはないだろうか。原因はさまざまだが、腎臓が弱って内側から不調を招いている可能性もある。抗酸化物質など腎臓の健康に寄与する成分を摂取し、リンなど腎機能に負担をかける成分の摂取を控えることで、腎臓はより正常に機能できるようになる。著名な健康・医学情報誌『ヘルス・ライン』や『メディカル・ニュース・トゥデイ』などが紹介する食品から、積極的に摂りたい食品と避けるべき食品計20種を見てみよう。
まずは積極的に摂りたい食品14種から紹介する。
◆1.ニンニク
抗菌作用を持つニンニクは、歯のプラークの形成を防ぎ、コレステロールを下げ、炎症を減少させる効果が期待される。
特にアリシンと呼ばれる成分は、腎臓の健康に役立つ。ニンニクはマンガンとビタミンB6も豊富で、食塩の代わりとして取り入れることもできる。
◆2.シイタケ
シイタケにはビタミンB群や銅、マンガン、セレニウムなどの栄養素が豊富に含まれ、良質な植物性タンパク質と食物繊維も備えている。
ほかの食用キノコと比較して、カリウムやナトリウム、そしてリンが少ないため、腎臓への負担が少ない。豊かな風味を持ち、肉の代わりとしても利用できる。
◆3.皮なしチキン
鶏むね肉の皮を取り除くことで、脂肪とリンの量を削減できる。ただし腎臓病を患っている場合、高タンパク質の食材によって腎臓に負担がかかる恐れがある。
米NIDDK(国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所)は、肉や魚の摂取量を1回の食事あたり2~3オンス(約57~85グラム)以内とするよう勧めている。
◆4.パプリカ
風味豊かな赤ピーマンは、腎臓に負担を掛けるカリウムの含有量が少ない一方、ビタミンC、A、B6、葉酸、食物繊維を豊富に含んでいる。
がんの予防にも効果的とされる抗酸化物質のリコピンも豊かだ。これらの栄養素は免疫機能の維持に役立ち、腎臓病の予防に有益とされている。
◆5.キャベツ
キャベツはカリウムやナトリウムの含有量が低く、腎臓に優しい。一方、有益な食物繊維やビタミンC、そしてビタミンKを豊富に含む。
植物性化学物質のファイトケミカルを多く含んでおり、活性酸素による細胞の損傷を予防する効果がある。
◆6.そば粉
ソバはカリウムの含有量が控えめなのに対し、ビタミンB群、マグネシウム、鉄分、食物繊維を多く含んでいる。
グルテンフリーの食材であることから、体内の免疫がグルテンに反応して腹痛などを引き起こすセリアック病や、グルテン不耐症の人にも適している。
◆7.タマネギ
タマネギは強力な抗酸化物質であるケルセチンを豊富に含んでおり、心臓病や多くのがんのリスクを低減する。
また、カリウムが少なく、インスリンの働きを助けるクロムのほか、ビタミンC、マンガン、ビタミンB群が豊富だ。腎機能が心配な場合、料理への風味付けに活用できる。
◆8.魚
魚には高品質のタンパク質と、オメガ3脂肪酸が含まれている。オメガ3脂肪酸には抗炎症作用があり、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールの値を下げ、善玉コレステロールであるHDLコレステロールの値を上昇させる。ただしタンパク源であるため、腎機能に問題がある場合は、摂取は少量にとどめたい。
◆9.リンゴ
リンゴにはコレステロールを下げ、便秘を予防し、心臓病やがんのリスクを低下させる効果がある。
食物繊維や抗炎症成分も豊富だ。生で食べたりジュースにしたりと、食事にも取り入れやすい。さらにケルセチンなど、健康をサポートする抗酸化物質も含まれている。
◆10.イチゴ
イチゴはアントシアニンおよびエラギタンニンと呼ばれる2種類のフェノールを豊富に含んでいる。これらはイチゴの赤色の源だ。
強力な抗酸化作用を持ち、体の細胞を酸化による損傷から守ってくれる。ビタミンCやマンガン、食物繊維も豊富で、心臓の健康維持や抗がん作用、抗炎症といった効果が期待できる。
◆11.卵白
卵の白身は純粋なタンパク質であり、必須アミノ酸をすべて含む高品質なタンパク質だ。卵黄や肉などのほかのタンパク源よりもリンが少なく、腎臓の健康維持に貢献する。
とくに重度の慢性腎臓病や透析を受けている場合、タンパク質の摂取量を増やす方法として有効だ。
◆12.赤ブドウ
赤ブドウは、心臓病やがんを予防し、炎症の抑制にも効果があるフラボノイドを豊富に含む。とくに赤や紫のブドウは、ポリフェノールの一種であるアントシアニンも豊富だ。
透析中の場合、干しブドウなどのドライフルーツにはカリウムが多いので、食べる量に注意が必要だ。
◆13.オリーブオイル
オリーブオイルはリンを含まないため、腎臓病の人々に適している。オレイン酸や不飽和脂肪も豊富で、炎症を抑制し酸化を防ぐ効果がある。
特にバージンまたはエクストラ・バージンのオリーブオイルは抗酸化物質を多く含み、いっそう高い効果が期待できる。
◆14.ブルーベリーなどのベリー類
ブルーベリーの青い色素は、ポリフェノールの一種であり抗酸化作用を持つアントシアニンによるものだ。炎症を抑える効果があり、ナトリウム、リン、カリウムの含有量が少ないことから、腎臓病の患者にとって有益だ。
続いて、腎機能が衰えているときなどに避けるべき食品6種を紹介する。
◆1.バナナ
身近な食品のなかには、腎機能が衰えている際に避けた方が良いものもある。バナナはその代表例の一つだ。
高カリウムの食品として知られており、標準的な大きさのバナナ1本には422ミリグラムものカリウムが含まれている。代わりに比較的カリウムの少ないパイナップルなどを検討したい。
◆2.加工肉
加工肉の取りすぎにも注意したい。具体的にはホットドッグやベーコン、ペパロニなどだ。
タンパク質が多く含まれており、タンパク質の摂取制限を指示されている場合には摂取を控えるべきだ。また、塩分などの添加物が多く、慢性疾患との関連が指摘されている。
◆3.アボカド
アボカドは食物繊維豊富で、抗酸化物質を多く含む栄養価の高い食材だ。しかし、高カリウムであるため、腎臓病との相性は良くない。
アボカド1個には、約690ミリグラムものカリウムが含まれる。カリウムを制限している場合には、アボカドおよびアボカドを調理したディップソース「ワカモレ」の摂取を控えるよう気をつけたい。
◆4.トマト
トマトは高カリウムの野菜であり、腎臓病の食事療法のガイドラインを満たせないことがある。たとえば1カップのトマトソースには、約910ミリグラムのカリウムが含まれている。
トマトやトマトソースの代わりに、赤パプリカをじっくり炒めてソースを作るなどすると、カリウムの摂取量を抑えることができる。
◆5.ジャガイモ、サツマイモ
いも類もカリウムを多く含む。ジャガイモ100グラムには約391ミリグラム、サツマイモ100グラムには約475ミリグラムのカリウムが含まれている。
水に浸たすとある程度軽減でき、たとえばジャガイモを10分程度水に漬けた場合、最大で20%ほど含有量を減らすことができる。とはいえ大部分は残るため、摂取量には注意が必要だ。
◆6.デーツ(なつめやし)やプルーン
乾燥フルーツのなかには、カリウムの濃度が高いものがある。とくにデーツ(なつめやし)やプルーンなどで顕著だ。
参考として乾燥前の状態で比較した場合、プルーン1カップには1270ミリグラムのカリウムが含まれており、これは同じ量のプラムの5倍に相当する。腎臓の食事療法を行っている場合、デーツやプルーンの摂取は控えたい。
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