2050年の経済大国ランキング・トップ15 日本は何位に後退? ゴールドマン・サックス予測

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 世界各国を経済規模で比較すると、1位アメリカ、2位日本という構図が長く続いていた。ところが近年では中国が日本を抜いて2位に食い込み、状況に異変が起きている。また、途上国の躍進も無視できない。

 米ゴールドマン・サックスが昨年12月に発表した『The Path to 2075(2075年への道筋)』報告書では、2050年時点で経済力を誇ると予測される国々に、興味深い変化がみられた。

 ASEANのある国は爆発的に経済力を高め、2050年までに日本やドイツを抜くとみられている。ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5ヶ国(BRICS)からは、同時期までにインドとロシアに続き、さらにもう1ヶ国がトップ10入りを果たす見込みだ。

 同報告書が示す2050年時点での順位において、トップ15ヶ国は次のような顔ぶれとなっている。なお、順位は各国のドル建てでの実質国内総生産(GDP)予測をもとにしている。

◆15位:ナイジェリア

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 人口2億超のナイジェリアは、勢いのある経済発展が見込まれる。これまでその経済力が世界の舞台で目立つことはあまりなかったが、今後は指数関数的なGDPの伸びが予測されているようだ。2075年にはさらに躍進し、世界第5位の経済力を有すると予測されている。

◆14位:カナダ

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 北米の大国・カナダは、1980年、2000年、そして2022年時点でいずれも8位。しかし2050年には順位を落とすようだ。下降傾向はさらに続き、2075年までには上位15位圏外になると予測される。

◆13位:サウジアラビア

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 未来都市「ネオム」の開発で注目を浴びるサウジアラビアだが、2050年に15位圏にランクインしたあと、2075年までには再び圏外へ下降する見込みとなっている。

◆12位:エジプト

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 勢いに乗るエジプトは、2075年にはパキスタンに次ぐ7位にまで上昇するという。2022年以降、実質GDPは急カーブを描いて成長するようだ。ジャーナル・オブ・アフリカ誌は、これまでアフリカ諸国はトップ15入りしていないと指摘したうえで、ナイジェリアとエジプトがアフリカ経済のけん引役になる可能性があると期待を示している。

◆11位:メキシコ

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 メキシコは2050年以降も安定し、2075年に同率の11位を維持すると見込まれる。アメリカに国境を接し、人口では日本とほぼ同じ規模の約1.3億となっている。一定のペースで実質GDPの増加が続く見込みだ。

◆10位:ロシア

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 2022年の9位から1つ順位を落とすロシアは、さらに経済の弱体化が進むようだ。2075年には13位になるとの予測が示されている。英インデペンデント紙は、ロシアがかつてBRICS諸国の一つとして欧米経済に追いつき追い越すことが期待されたにもかかわらず、その予想を現実のものとした中国やインドとは路線を異にしていると指摘する。

◆9位:フランス

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 フランスも一貫して下降傾向にある。1980年には世界4位の経済力を誇ったが、2022年は7位。2075年の順位は15位と振るわない。

◆8位:ブラジル

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 ブラジルは2075年予想でも8位をキープしている。2010年代に実質GDPは大幅に縮小したが、今後については安定したペースでの拡大が見込まれている。

◆7位:イギリス

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 上位常連のイギリスだったが、2022年と比べると1つ下の順位となる。2075年にはさらに3つ下げ、世界10位になるとみられている。

◆6位:日本

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 かつてアメリカに次ぐ世界2位の経済力を誇った日本だが、2010年に中国に抜かれ、現在3位。今後、多くの先進国と同様、新興国に押される形で順位は下降し、2075年にはメキシコに次ぐ12位になると予測されている。日本の経済力はゆるやかに拡大するものの、躍進する現途上国のペースに追いつかないようだ。米フォーブス誌は、経済力の低下が見込まれる国々には、人口増加の見込みが薄い共通点があると指摘している。

◆5位:ドイツ

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 2000年には日本に次ぐ世界第3位の経済力を有したドイツだが、日本やイギリスと歩調を揃えるかのようにランキングを下降する見込みだ。2075年時点での予測は、イギリスより1つ上の第9位となっている。

◆4位:インドネシア

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 首都移転計画で話題のインドネシアは、2075年になっても2050年と同様、世界第4位の経済力を堅持するとみられる。実質GDPは90年代後半から拡大を続けており、今後についてはさらに急勾配での成長が続きそうだ。人口は現在約2.7億人で、日本の倍以上の規模となっている。

◆3位:インド

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 およそ14億人が暮らすインドは、今年中国を抜き人口で世界トップの国になったとされる。今後も着実な成長が続きそうだ。BRICSのなかでも特に目覚ましい発展を遂げており、2075年にはアメリカを抜いて経済で世界第2位の地位を占めるとみられている。

◆2位:アメリカ

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 世界トップに君臨し続けたアメリカだが、2050年には中国にトップの座を譲ることになりそうだ。2075年までにはさらにインドにも抜かれ、3位に甘んじる予想となっている。アメリカの経済力自体は、過去も未来予想でも一貫した力強い伸びが続く。それでも、勢いのある中国とインドをかわすことは難しいようだ。ブルームバーグは、アメリカが過去10年間のような比較的堅調なパフォーマンスを維持することはなく、ドルの無比の強さも今後10年で失われてゆくと予測している。

◆1位:中国

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 2022年を境に人口が減少に転じたとされる中国だが、経済成長は続くようだ。2000年には世界6位だったが、その後現在の2位まで浮上。2035年にはアメリカを抜いて世界トップの経済力を誇るようになり、2050年および2075年時点でもその座を維持するという。中国のGDPは2000年時点でアメリカの12%にとどまったものの、現在は8割弱にまで迫っている。

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